華やぐ冬枯れの山と静かな秘湯へ＠荒船山 2012.12.23(日)~24(月)

今年の秋はなかなか山を静かに歩くという時間が取れませんでした。相棒に関して言えば、仕事がずっと多忙・・・ここに来てようやくお休みを楽しむ時間が取れそうだというので、一年間お疲れ様の山旅に出かけることにしました。

久しぶりに走った関越道・・・東京はどんよりした曇り空だったのに、埼玉に入るとだんだんと雲が取れてきて、上信越道に入るころには、雲ひとつない青空が広がり始めて、それだけでも二人の心は弾みます♪

はじめて歩いた荒船山・・・八ヶ岳から、その船というか大きな軍艦のような山容を見てからずっと思っていた、いつかあの甲板の上を歩いてみたいな、甲板の上はどうなってるのか見てみたいな～という小さな夢がやっと叶いました。






連休の中日だし、高速もそれほど混んでいないかな、そしてこの日は荒船山の近くの秘湯の宿に泊ることになっていたので、我が家を出たのは明るくなってから。登山口の一つ、内山峠に着いたのは１０時前のこと。秋にここを歩いたbebeさんのレポによると、駐車場は満杯だったというので、ちょっぴりだけ心配していましたが、この紅葉も終わった寒い季節だもの、そんな心配はご無用で私たちの前にたった２台の先客だけ。　これは静かな山歩きが楽しめそうだ～！内山峠（１０６５ｍ）から始まるトレイルはアップダウンも穏やかでとても歩きやすい。
歩き出してひと山越えたところで今日一番の難所(笑)　どろどろだったりするとめんどくさいけど、この日はトレイルは凍っていました。もし、雪が沢山降って凍っていたら、軽アイゼンくらいは欲しい場所。静かな山の時間・・・自然林の冬枯れの森・・・紅葉の季節はさぞ美しいのでしょうね。
なんとなく奥多摩を歩いているみたいだな。二人の好きな雰囲気・・・気持ちいい♪♪♪
木々の間からチラチラと覗き見る軍艦の端っこ辺り・・・真っ白い！こりゃあ、霧氷に違いないと　融ける前にあそこまで行かなくちゃ！
鋏岩修験道跡まで来ると雪がほんの少しだけど残っていました。山岳信仰が盛んだった名残の門柱が残っていて、どんな建物が建っていたのかなぁと悠久の遠い昔に思いを馳せます。うっすらと雪の残るトレイル・・・今年の雪山はじめです♪ツルンツルンに凍った梯子は要注意。
梯子を過ぎるとちょっとした岩場があります。雪がいっぱい積もって凍ったら厄介かも。今の所は全く問題なし。

そして・・・
岩場を過ぎると、そこはメルヘンの国へと続くトレイルの始まりでした。船の甲板に上がると、あまりの綺麗さに二人ともなかなか足が進まない。早く～～～こっちもスゴイよ♪
枯れ木に花が咲いて、静かな森はキラキラと輝いています。もう首が痛くなるほど空を見上げていました。
軍艦の上は大きな大きな森が広がっていて、ここが山の上の大地だということを忘れてしまいそうです。
どこをどうやって写真に撮ればいいのか分からない。目で見たこの感動をちゃんと伝えられなくて残念^^;
甲板の端っこからは浅間山の美しい姿を覗き見ることが出来ました。相棒があまりにも端っこまで行くので、お願いだから気をつけてねと声をかけます。見ているほうが怖いんだもん。
霧氷は今までにも見たことはあるけれど、これほどのものは初めて。そして、こんなお手軽に登って来れるところでこんな霧氷に会えるなんて得した気分♪
船尾の名前を持つ艫岩（ともいわ・・・１２５０ｍ）の上は素晴らしい展望台で、この日は浅間山くらいでしたが、北アもよく見えるみたいです。さすがにここまでだけでは歩き足りないし、甲板の上がどうなってるのか探検です！
今まで甲板の上は岩ごつごつなのかなぁって思っていたのだけど、平な大地がずっと広がっていて落葉樹の森が一面に。
甲板のもう一方の端、経塚山（１４２２．５ｍ）までの距離は約２ｋｍ。経塚山に近づくにつれて、辺りは先ほどよりも白い銀世界。
艫岩との標高差は１７０ｍほど。汗かかないようにゆっくりゆっくり。経塚山の山頂は展望は全くなく、おまけに風が吹きぬけて寒い、寒い！風を避けて簡単ランチをすることにしました。
この日はクリスマスも近いことだしと、コンビ二で仕入れたブッシュドノエルとサンドイッチでランチタイム。コンビ二ケーキでも十分美味し♪

体が冷えそうなので、ランチはさっさと終わらせて艫岩に戻ることにしました。途中、野鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえて二人で姿を探します。
五十雀(ゴジュウガラ)の可愛い姿を見つけました。私たちはこんな小さな野鳥が大好きなので、嬉しくてニコニコ♪サクサクと艫岩に戻って来ました。浅間山の左側に見える人工物は神津牧場のよう。

神津牧場と言えば、私が小学６年生の時、学校の移動教室で軽井沢に来た時のハイキングの終点がこの神津牧場で、あの頃は体が弱くて山を歩くことなんか大嫌いな子供だったのだけど、最後のグループになってしまってなんとか辿り着いた牧場で食べたソフトクリームの美味しかったことは今でも忘れられない思い出（それしか覚えてないというか）。その時にどこを歩いて神津牧場に辿り着いたのかな～と地図を広げてみてたぶん、信濃路自然歩道を歩いて来たみたい。すごく懐かしいのでいつか歩いてみたいな～♪なんてまた一つ楽しみが出来ました。
ここなら大丈夫、でも落ちないように端っこに行かないでね・・・相棒、久々のジャ～～～ンプ♪　この陽射しで溶け出した霧氷もキラキラ
まだまだここで眺めていたいけど、浅間山にさよならして、日の傾く前に下山しましょ♪　
霧氷の森の足元を見ると、木々についた沢山の氷が落ちて真っ白になっていました。
下山し始めた１時過ぎには、もう朝凍っていた梯子も岩場もすっかり融けてしまっていました。これからどんどん雪が積もるのでしょうか？
この日会った登山者は、１０人ほど。内山峠以外の登山口から登ってきている方達もいらっしゃいました。内山峠からも経塚山を越えて、荒船不動へ下り、旧道を通って内山峠へのグルリップも出来ることがわかったので、次回はそこを歩いてみるのもいいかな。久しぶりに二人で歩いた一日、思いのほか静かで、そして歩きやすくて・・・そして甲板の上は霧氷の花が満開で、短い時間だったけれどこの一年を締めくくるのに相応しい山歩きになりました。

今年もこうやって元気に山を楽しむことが出来たこと、自然の中で呼吸出来た事、これが普段の生活の力になっていたと思います。本当なら年末にもう一回フカフカ雪を楽しみたいなと思っていたのだけど、天気予報は今のところ悪そう(T_T)　天気が回復したら出かけちゃうかも知れませんが、今年の山歩きはこれでおしまいかな。

この一年間、山の中で過ごしたのは６１日・・・沢山の思い出が出来ました。こんな私たちの山旅のレポにいつもお付き合いしてくださった多くの方々、本当にありがとうございました！温かいコメントを下さった皆さん、そして毎週私たちのブログを訪問してくださる方達の数に私たちは驚かされ、そして嬉しく、どれだけ励まされてきたことか！みなさんのお陰でこの一年もこうやってブログを書いてくることが出来ました。これからも山歩きもお弁当作りも続けるつもりなので、来年もどうぞよろしくお願いいたします♪　

おまけ①
この日、山歩きの後でお世話になったのは、内山峠の登山口からすぐ近くの初谷（しょや）温泉でした。こちらは日本秘湯の会のお宿で、周りに何もない一軒宿。
グルメな妹家族がリピートしてるのできっといい宿に違いないと向かった宿は本当にひっそりと川沿いに建っていました。
たった８部屋しかない小さなお宿です。宿の中はどこもかしこも清潔で気持ちがいいし、お湯はいいし、居心地のいい宿でした。
食事は贅沢なものはないけれど、どれも手がかかっている美味しいお料理。鯉のあらいも絶品だったし、
こちらの鯉の旨煮に関して言えば、今まで鯉はあんまり好きじゃなかった相棒を唸らせたほど美味しかった！お酒が進んで困りましたけどね(笑)食事が終わって部屋に戻るとサンタさんからお菓子のプレゼント♪　こういう心遣いも嬉しい！
朝ご飯には神津牧場の美味しい牛乳と長野の林檎ジュース。
なかなか豪華な朝ご飯でした。鮭も油がのって美味しかった。朝ご飯が美味しい宿は点数が高いです(^^♪
こちらの宿はじゃらんとかにも入ってなくて、日本秘湯の会のHPからか電話予約での申し込みしか取っていないみたいですが、とっても感じのいいご家族が経営している小さな宿でのんびり過ごしたい方にはお勧めの宿です。私たちもまた再訪したい宿になりました。このお部屋にあったマッサージチェアには癒されました(#^.^#)

おまけ②
下仁田I.Cから登山口へ抜ける途中、少し旧道(上州姫街道)に入った本宿（もとじゅく）という小さな菓子処　古月堂さん。初谷温泉に行くと妹に言うと、ここのどうなつをお土産に買ってきてと言うので行かないわけにはいきません！

こちらの名物　本宿どうなつと言いまして、いんげん豆のあんこがたっぷり入っている揚げどうなつなのだけど、一個１０５円。美味しいです。朝８時半からやっているので山のおやつにもいいかも知れません。写真撮るの忘れてしまったので画像が無くてすみません。こちらもリピート決定なり。

年末はいつものように相棒の実家へ行って来ます。その前にもう一回ブログの更新できるかな？どうだろう？とりあえず、年末のご挨拶をしておきますね♪
皆さまもどうぞよいお正月をお迎えくださいね！また新しい年もよろしくお願いいたします♪