2012年 03月 05日
雪山1年目には 八ヶ岳・天狗岳と八ヶ岳・編笠山 2年目の去年は八ヶ岳・赤岳と竹内さんにガイドしていただいた私達が目指したのは 厳冬期の西穂高岳でした。 あとのところはテント泊だし、もっとキツイところだし、今の段階では無理なんだもん。 3年間 竹内さんから学んだことを自分達なりに消化してきたつもりではいましたが、夏でもそれなりの技術力が必要とされる西穂高岳・・・冬はガイド登山必須のコースである西穂高岳を私達が目指していいものかどうか不安もいっぱいありましたが、最高のガイドである竹内さんと一緒・・・安心して命を預けて歩いて来ました。 心配していたお天気も 曇りマークはどこへやら、素晴らしい絶景が広がっていました。 師匠が、ここのロープウエイが日本で一番眺めがいいと思うよ・・・と言うけれど、この日の天気はどんより曇り空でホワイトアウト状態。二つのロープウエイを乗り継いで西穂高口へ到着。運賃往復2800円、プラス荷物代(8kg以上)300円×2(私のザックの重さは14kg、相棒は17kg~お酒分重たい・・・笑)でした。 竹内師匠も お隣の席で飲んでいたHガイドさんとお仲間さんにもおすそ分け・・・美味しい~って喜んでもらえて作ってきた甲斐がありました。 宴もたけなわになった頃、窓の外には夕日が沈み始めていて・・・初めは小屋の中から写真撮ってたけれど やっぱり我慢が出来ません。 小屋に戻り、鍋にうどんも入れてワイワイ。そうそう、青年小屋で何度が会ったことのある超美人のasakoちゃんと彼氏のハッシーさんも加わって ますます賑やかで楽しい夜でした。私は人の顔を覚えるのが大の苦手なんだけど 日本人離れしたasakoちゃんはそんな私でも どうしてこんな美人が山にいるの?って一度会ったら忘れなかった。もちろん相棒だってもちろん覚えていました・・・それは当たり前か(笑)?実は山は大のベテランさんで 楽しいお話を沢山聞かせてくれました。また、青年小屋で会おうねと 9時に宴会はおしまい。お願いだから 朝起きたら吹雪なんてことになっていませんように、せめて曇りでお願いしますよとお祈りして就寝。 私達は別館の部屋でしたが 小屋の中はどこも暖かくて 夜中に布団をはいだくらいポカポカの夜でした。 朝は4時に起床して 自炊部屋でパンとカフェオレとソーセージとみかんの朝ご飯を食べて準備に取り掛かります。どうもお天気は今のところいいみたい!陽が登る前に独標に着けたらいいねとのことで、5時に出発のはずでしたが、用意がなかなか終わらずに 大分遅くなってしまいましたが5時半前 まだ真っ暗なうちにアイゼン着けて出発します。 ヘッドランプの灯りを頼りに歩くんだけれど どうも私のヘッデンは電気が点かない・・・こんな時に電池切れ?前途多難だわ~(>_<) 帰って来て確かめるとしっかり点いたんだけど どうして??? 師匠がもうすぐ夜が明けるから大丈夫だよって。本当に手のかかる弟子ですみません!相棒の照らしてくれる明かりを頼りに一歩一歩歩きます。 二人とも(私達)これからも危ないところに行くんだったら 自分で買ってねと言われました。そうなんです、私達も何度も買おうと思ってはいたんだけど ハーネス着けたって 二人ではアンザイレンしてもお互いに助けられないんだから意味ないな~と。二人で一緒に谷底へって言うのなら可能だけど。でも、今度買って装着の練習しなくてはですね。ここでピッケルを用意します。 こんな場所でも腹筋、背筋の無さを感じさせられる。よいしょの掛け声が無いと体が上がらないんだもの。 まずは独標を下るところが大変な場所。大きな岩が出ているのところはアイゼンが使えないので慎重に下っていく。下りでは相棒が一番前になって降りて行く。登りは師匠が先に歩く。何度も先頭を交代しながら歩く。師匠は登って待っている時にはロープを伸ばして待っている。もう、必死過ぎて 楽しいとか怖いとか考える余裕は無く、何しろ一歩一歩確実に歩くことだけに集中する。 登りも息はゼイゼイ、下りは緊張してハアハア・・・ここって赤岳の次に目指すところじゃないでしょ!赤岳の数倍いや それよりずっと危険 危険! 危険なのはピークの登り下りだけじゃなくて 飛騨側をトラバースしていく場所がいっぱいあるのだけど、一歩間違えればどこまでも落ちる・・・そんなところばっかり。師匠がついているし、怖いという思いは一切無かったのだけど 後から考えたらすごいところを歩いていたみたい。 残念ながら 写真は一枚もありません。それが ここがどんなに危険な場所かってことを表していると思う。全然平気そうだった相棒にも 写真を撮るなんて余裕は無かったみたいだし、それで良かったんだと思う。 しか~し、ここからの道も険しくて・・・西穂高岳直下は垂直かと思われるような登り、それも雪が多くてズルズル滑る。ピッケルを自分の前に差し、それを頼りにして一歩一歩登って行く。これのせいで、今日は両腕に脇が筋肉痛・・・重たい体重を引っ張り上げるのには力が要るのです。もう痩せなければならないのは必然性だわ。 そして・・・必死に登って行くとピョーンと西穂高岳山頂に躍り出ました。 だけど赤岳の時のように山頂で 師匠にありがとうという言葉は出てこなかった。なぜなら ここをまた下って行かなくてはならないのだから、まだゴールはここでは無い。 下りは登りよりも緊張しっぱなし。怖いという気持ちは無かったけれど どうやって登り返すのか どうやって下るのか分からないところもっぱい。 下山も下りは相棒が一番先に 登りは師匠が先になりながら、慎重に歩く。アイゼンワークを求められる場所がいっぱい。本当に下りのほうが疲れた。神経をすり減らしたというか。 独標からの下りは登ったよりはあっさりだった。それも、アンザイレンしているからそう思えるんだけどね。 どう逆立ちしても 私達だけのスキルでは登ることの出来ない西穂高岳。これから先も決して自分達だけで登ることはしないと思います。 去年登った赤岳と比べても 大袈裟でなく 何倍も難しいと感じました。独標から先はガイドさんと歩く領域なのを改めて実感。だって、ずっとずっと気が休まるところが無いんだもの。どこもかしこも難所ばかりでしたから。 雪山は美しいけれど 危険といつも隣り合わせ。それでも、また歩きたい 挑戦してみたいと感じさせられるのは不思議です。今まで危険なところは必ず、師匠と歩いてきたし、これからもそうだと思います。その中で自分達のスキルで楽しめる山を探して歩いていけたらいいな、そう思いました。 きっと 小屋の方達は何度も遭難事故を経験していらっしゃるでしょうから、登山者が無事に帰って来るのを待っているんでしょうね。 西穂ラーメンでお昼ご飯にして、アイゼンなど荷物を整理して、感謝のうちに下山しました。 今度は無雪期に同じところを歩いてみよう。その時に初めて 厳冬期の西穂高岳をこうやって無事に歩いたことを実感できるような気がします。今はまだ夢の中だったんじゃないかって感じです。 終わってみれば 本当に恵まれた素敵な二日間だったことに感謝♪ 師匠の車で小淵沢に戻ってくるころには ザーザー降りの雨。今度は青年小屋でお会いしましょうと師匠とお別れ。 こうやって西穂高岳を歩けるようになったのも(連れて行ってもらった感もありますが)師匠のお陰。毎年お世話になっているうちに色んなことを身につけてたんだなぁと改めて思いました。まだまだ、修行が必要ですが、頑張ります。来年はどこを一緒に歩けるか 今から楽しみです。背筋と腹筋をつけなくては駄目だと言われたのでトレーニングも頑張ります。 中央道は殆ど渋滞も無く、興奮冷めやらない二人は次はどこを歩こうかと夢中になって話しているうちに帰宅。さすがに疲れて 夕飯食べて 荷物も散らかしたまま 即撃沈の夜でした。やっぱり疲れますね~山は!でも、楽しい~♪ 先週の東京マラソンと 厳冬期西穂高岳登山と 今年のメインイベントはもう終わったも同然だけど、これからいよいよ山は本番の季節になるし、GWは目の前だし、ようやくマラソンが終わって山に行けるようになったので計画を立てて 安全登山目指して楽しんでいこうと思います。
by akko-kornblume
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